ダンボールを持ったその人が突然に力が抜けたように膝をがくりと崩し、手にしたダンボールを気丈に積み上げてからその場で膝をついてた。
「野島くん!」
近くにいた人がすぐに駆け寄り、勇人を助け起こし近くの板に寄りかからせた。
あたしから勇人が見えなくなったし心配だから駆け寄ろうと足を踏み出した瞬間、勇人の声が聴こえてそれが止まった。
「大丈夫……ただの貧血ですから。でも……言わないでください。誰にも……俺を預かってる鈴本家の人たち……特に瑠璃香には」
荒い息で切れ切れに話す勇人はどう考えても苦しそうなのに。
なんでよ!
どうしてあたしに知らせたくないわけ!?
一緒に生きようと誓ったくせに何を変な遠慮してるのよ!
あたしは憤ったけど、もうひとりの店員さんの話を聴いて耳を疑いたくなった。
「だけどな、お前……貧血にしちゃなんで心臓を掴むんだ? 鼻や歯茎からも血が出てるだろ。
悪いこた言わねえ、早くそれなりの病院で診てもえ。
だんだん発作の感覚が短くなってるじゃねえか」



