すっかり揃った荷物を前にして、あたしはこれでいいか思案した。


下着は真っ白ななんの変哲もないタンクトップとスポーツブラとパンツだけど……。


も、もう少しカワイイのがいいかなあ。
なんて考えて、自分の頭をゴツンと打った。


な、なに考えてんのよあたしは!


まるでくるうみで勇人と何かあるのを期待するみたいじゃん!


勇人はあたしを思ってキスだって我慢してるみたいなのに。女のあたしからそんな風に期待するなんて、恥ずかしいと思わなきゃ。


そう……


あたしと勇人は龍神祭の後から付き合い始めた。


まだ好きだとか確かなやり取りはないけど、一応家族や亜美には報告しておいたんだけど、みんな涙ぐんで喜んでくれた。


妹の茉莉花は「やっとお姉ちゃんにも遅い春が来たか」と余計な事を言われたし。
お母さんは「こんな料理もまともにできない子でも選んでくれてありがとう。今からあたしがビシバシ鍛えるからね」と言うし。

それよりも、亜美が涙を流しながら「良かったね」と抱きしめてくれた時はあたしも一緒に泣いた。