だから、みんなこの日は思いっきりオシャレするんだって張り切ってた。
亜美だって1ヶ月前から何しようかって迷ってたみたいだけど、その服選びに付き合わされた時にはまさか加藤先生の為だなんて考えもしなかった。
わざわざ電車を乗り継いで都市部のショッピングモールにまで服を見に行ったんだから、なんか気合い入ってるなあとは思ったんだけど。
高校生になったからオシャレしなきゃね、大人っぽくならなきゃ。
そう言ってた亜美がレディースフロアで熱心に見てたツーピースアンサンブル。
まさか本当に買ってたなんて思わなかったな。
あたしもいろいろ試着してみたから、その間に買ったんだろうけど。
けど、スレンダーな体型の亜美にぴったりフィットするデザインで、羨ましくも感じた。
亜美には似合うし大人っぽいし……きっと加藤先生も亜美を見直すよ。
だけど……だけどね。
あたしは……。
惨めになりそうだから、これ以上考えまいとした。
何を着ても笑われるだけだから、何でもいい。
太ってるだからかもしれないけど、もとの造りや性格なんかが可愛くないから、着飾ったとしてもボロが出る。



