男の子はお母さんに駆け寄って、抱きしめられながら一緒に泣いてた。


男の子が無事で良かったけど……。


野島は南高の3人に連れられてお店から出て行った。


店内に静寂が戻り、みんなホッと息を着いてた。


かくいうあたしも安堵して、緊張感が解けたからか足の力が抜けその場で座り込んでしまった。


「すごかったね。瑠璃香、本当にごめん……あたしがペンダントさえ放り投げなきゃ」


亜美が謝ったから、あたしは乾いた笑みで大丈夫と強がって……。


「あああ~~っっ!」


素っ頓狂な叫びを上げてしまいました。


ペンダント!


そういえばペンダント!!


すっかり忘れてたああああ~~っっっ!


「亜美、ごめん! あたし行ってくる」


「え! ちょっと、瑠璃香。危ないよ!」


亜美の制止も聴かず、あたしはガラス戸を開けて猛然とお店から飛び出した。


やっぱりなくしたくない!


曾おばあちゃんの形見の大切なペンダント。


あたしが生まれるはるか昔から曾おばあちゃんの胸元を飾り、曾おじいちゃんと出逢わせたという不思議な石。


あたしにはまだその重みは理解できないけど、きっといろんな想いが詰まってる。