やっぱり彩りもボリュームも重要だよね、とレイアウトに凝りすぎて詰め込みすぎになり蓋が閉まらないのはご愛嬌。


あら熱を冷ますためにお弁当を台所のテーブルの上に置けたのが、午前6時15分近く。


2時間かけて何とか軽食とお弁当が出来上がり、凄惨な状況の台所を見たお母さんにお小言を喰らいつつ、朝ご飯の支度の手伝いもさせられながら全て片付け終えたのは7時近くだった。


「おはよ」


お母さんとおばあちゃん以外に朝一番に起き出すのは、やっぱりお父さんとおじいちゃん。


2人ともあたしたちを養うために、今日も農作業に精を出すんだな。


「お、この弁当はずいぶんと豪勢だな。もしかしてオレらの為にか?」


お父さんが野島の弁当箱を覗きながら嬉しそうに言うけど、あたしはお父さんの前に腕を出して首を振った。


「ダメだよ! これはあたしたちのだもん」


「そうですよ、お父さん。瑠璃香は大切な人のために頑張ったんですからね。横取りしないようにお願いしますよ」


お母さんが余計な事を言ったから、あたしは慌ててそれを否定した。


「ち、違うって! あたしもたまにはお料理の練習しようかなって……それだけで他意はないんだからね」