「てめぇっ! んなことしてただで済むと思うんか!ああっ!?」


「ごめんなさい、ごめんなさい……す、すぐ拭きますから」


今にも泣きそうな顔の野島はテーブルダスターを手にしすると、タトゥー男の顔を拭こうとしたのか2・3歩歩み寄り、手を伸ばしたんだけど。


床に落ちてた調味料の瓶に足を取られ、「わあ!」と言いながら勢いよく転んだんだけど。


その拍子にタトゥー男の腹部に頭突きを入れ、コーヒーで前が見えなかったタトゥー男はよけられなくてモロにそれを受けたせいか、唸りながらその場で倒れ込んだ。


「てっめ……よくもシゲルを!」


銀髪男が逆上し、野島の肩を掴んだ。


「すいません……すいません。何でもしますから許してください。でもせめてここで暴れるのはやめてください……ぼ、僕には何をしてもいいですから」


野島は震えながらも意外にも気丈な面を見せた。


「ほう、このオレらにそんな口きいた覚悟は出来てんだろな?」


「は、はい……」


野島が震えながらも返事をすると、金髪男は男の子を離した。


「いいぜ、てめえの勇気に免じてコイツは放してやる。だが、今度はてめえの心配をするんだな」