どこまでも続く七色の洞窟を進むと、その先にあったのは……


氷みたいな完全無垢の水晶に閉じ込められた、白く巨大な姿。


まさか、と目を瞬かせてこすったりしてみたけど、見間違えるはずはない。


それは紛れもなく――。




「鈴本、なにぼおっとしてんだよ?」


野島の声でハッと気がつくと、あたしはプールの中で野島に抱きしめられてた。


いつもならひっぱたきたくなるけど、頭が痛くて気持ち悪くなったから、不本意だけど野島に頼るしかない。

浮くにしても体がフラついてたから。


「……ごめ……なんか気分が悪い……」


「え、マジに悪いのか?大丈夫か!?」


さすがに野島もからかう気はないらしく、あたしを心配そうに見た。


「ちょっと寄りかかれよ。体冷えただろ?」


「ん、ありがと」


クラクラするから言葉に甘えて野島の胸に寄りかかった。


その時――


なぜか野島の体が一瞬強張ったのがわかった。


あたしは野島に向かい合って体を凭れたから、ヤツの緊張がダイレクトに伝わって、気分が悪いなかでも不思議に思う。


でも、どうにも堪えきれなくて、悪いとは思いつつ、野島の体に体重をかけさせてもらった。