くるうみ。~あなたと過ごした3日間~




……いやだ。


今のあたし、きっとイヤな顔してるよ。


先輩が他の女の子と話してても、こんな気持ちにはならなかったのに。


変……


あたし、絶対に変だ。


きっといろんなことがあってイラついたせいだよね?


そう自分自身を無理やり納得させようとした。


賑やかな授業風景は、まるでガラス越しに見てるみたい。


自分とは遠い別世界で起こってる出来事――




突然、ぼんやりした意識に冷たい刺激が割り込んできた。


「冷たい!」


思わず叫ぶと、プールの中で野島があたしを見てニヤニヤしてたし。


「鈴本、泳がねえのか? 別に女の子な事情じゃねえだろ」


うわ! 野島のバカは大声でデリカシーのないことを言いおったし!


「な……なに考えてんのよ、このバカ野島はああっ!」


もちろんあたしはすぐに立ち上がって、野島につかみかかった……ら。


ヤツはサッとよけおったから、あたしもバランスを崩して体操服ごとプールの中に真っ逆さまに落っこちたし。


も、最悪っ!


「あはは、鈴本濡れネズミだって」


野島は助けるどころか、あたしの姿を見て笑いやがりました!