くるうみ。~あなたと過ごした3日間~






山潮高校は夏休みが明けた9月に水泳大会があるから、今日はその選手を選ぶために男女合同で水泳の授業。


うちは3学年合わせても9クラスしかないから、1組のグループ、2組のグループ、3組のグループとそれぞれに分けて争い優勝を決める。


一応実力があれば一年生でも選手に選ばれるみたいだけど、やっぱり水泳部の3年生にはかなわない。


あたしは体育の先生に体調が悪いと伝えたけど、加藤先生はニヤニヤ笑いながら言った。


「なんだ、鈴本も女の子の事情か?」


あたしはそれを聴いて、加藤先生の背中を小突いた。


「先生、それセクハラだし。先生ってカノジョにもそんなこと言うの?」


加藤先生は24歳の若い先生だし、割とハンサムだから女子の人気も高い。

もちろんカノジョはいると公言してるけど、それでも密かにアタックをする子は後を絶たないんだよね。


……あれ?


あたしは視線を感じて振り向くと、亜美がこっちを見てた。


亜美はすぐ目を逸らしたけど、あたしは何か小さな違和感を感じる。


「鈴本、どうしたボーっとして? ははん、さてはこのオレに見とれてたな?」


ふざけた加藤先生の背中をあたしは思いっきりぶっ叩いた。