す、素で……? きょとんと首を傾げる私に、離宮君はは ぁ、と息をついてから、教科書に目を落 とした。 「……や、なんでもねえ。…続き、する ぞ」 「あ、はい……!」 そうして、それからテストまでの一週間 、放課後の勉強会は続いて。 まるでこの世界に二人だけのようなこの 空間が、酷く心地よくて……。 離宮君の隣は、うとうとと微睡んでしま いそうなほどに、穏やかな雰囲気に包ま れていたんだ。