「ちょっ、」 「このままじゃ風邪引いちゃうでしょ?」 「だからって…」 距離を取ろうとする千葉君に言う。上手く言いくるめれば観念した千葉君は大人しくわたしに拭かれる。 「わぁ、本当にびしょ濡れ!大会前なんだから、体調崩したら大変なのに…。やっぱり差し支えになるでしょ?」 「…」 「千葉君?」 さっきから“大人しすぎる”千葉君に首を傾げる。やけに静かだ。顔を見るために下から除きこめば逸らされた。