さん、
にい、
いち、
ーーーどかーーんっ
花火が、咲いた。
「…くそ。」
引きとめられなかった。
美丘はアイツの元へと行ってしまった。
うわぁっていうため息のような、来客たちの歓声
キラキラしたオモチャを持って走り回る子供たち
出店の色々な香りとネオンとたくさんの声たちの中で
美丘の後姿だけが、世界から切り取られたようにクッキリ見える。
小さくなっていく背中は、手を伸ばしても届かない。
ーー蝶々、みたいだ。
ひらひら ゆらゆら
美丘が一歩踏み出すごとに揺れている、ピンク色の帯は
綺麗だけど決して捕まえることのできない、蝶々みたいだ。

