美丘の瞳に、俺の表情が映っている。
美丘の瞳の中の俺は、どうしようもなく情けなくて、だけども真剣な表情をしていた。
「……?どうしたの?」
「あのさ、」
言ってしまえばいい。
好きだと言って、そのまま美丘を抱きしめてしまえばいい。
美丘のその華奢な肩を、俺は今すぐにでも抱きしめたい。
ずっと、そうしたかった。
「俺、美丘のことが…、」
「美丘!!!!!」
ーー花火の、カウントダウンが始まった。
「…っ、シュウくん!?」
ーーごう、
俺の声の何倍も大きい、アイツの声が俺の鼓膜を揺らして。既に美丘の瞳は俺じゃなくて、アイツの瞳を映していて。
美丘は、まるで俺の存在を忘れたかのようだった。
俺と2人の時は見せなかった、アイツを愛おしそうに見つめる美丘の横顔が、俺の視界で動いていく。
「遅いよ!」
ーーよん、
美丘は、次の瞬間にはアイツの元へと駆け出していて。
俺の手の中にあった美丘の浴衣の裾は、するするっと抜けていく。

