「…七五三みたい。」
「うわっ、ひどーい。」
そう言ってケラケラ笑う美丘は、もう一口リンゴ飴をパリッと食べる。
リンゴ飴に口づけるたびに、紅くなっていく唇は色っぽいと思う。
「…アイツは来ねえの?」
ーー美丘が俺のものになればいいと、ずっと思っていた。
不自然なくらいに紅くなった唇も、華奢な肩も、強気な性格とは裏腹の甘ったるい声も。
全部が俺のものになればいいと、ずっと前から思っていた。
美丘の浴衣姿は、俺のためのものではない。
「んー、来るんじゃない?」
チラッと時計を見ながら、美丘はなんてことないように、はにかんだ。
今はPM9:16。
花火は九時半からだ。

