PM9:33




こっちへおいで
蜜を蓄えて待ってるから


だから俺のところへ飛んできてよ
羽を休めるだけでも構わないよ



……なぁ、美丘。
行かないで。


アイツの元なんか、飛んでいかないで。




「……。」



花火が鮮やかに咲いていく。
美丘の蝶みたいな後姿は、もう見えなくて。



美丘の紅い唇が、
美丘の甘ったるい声が、
猫みたいな目が、
ピンクの帯が頭から離れない。




ーーPM9:33。





俺の夏がはじまる。