鍵を開け家のドアノブに手をかけて、家に入る。




そこで二人を違和感が襲った。




「なにか……変ね。いつも、こんな感じだったかしら?」




ボソリと呟く彼女に彼は、同感したように頷いた。




「なにか、居るはずの物が居ないような。変なかんじだな」




「居る筈の物って何よ?」




「しらん。ただ、ポッカリと大事な部分が抜け落ちたような気分だ」




「……そうね。……なんだったかしら」




二人は、腑に落ちない気持ちを抑えながらリビングへ向かう。