「楓ちゃん?」



「…はい?」



呼ばれて振り向くと、同じクラスの森下さんだった。整った顔立ちに凛とした雰囲気の森下さんは、クラスの中でもとても目立つ。



「何?その写真気に入った?」



「…うん。でも、どうして?」



私は何故彼女がそんなことを聞くのか疑問に思った。



「ああ、私、写真部なの。私の作品もあるのよ。」



促されて目を向けた彼女の作品は波のない静かな湖面に浮かぶボートを写したもので、私はとても彼女らしいと思った。