オジサンが欲しい








しかし、いまとなっては、もう彼には会えない。


彼に感謝していると言えば、周囲は憐れみや軽蔑の視線を浴びせるばかりで、理解してくれる者はいなかった。


だがいまは“強力な後ろ盾”のお陰で、下っ端もいて、警察をも抑え込める。


愛でてもらえなくなって、寂しかった。


しかし次は、彼がしていたのと同じことを、誰かにしてやりたくなったのだ。


誰かを愛でたい。


プライドをズタズタに刻んで、服従させて、心を壊す。


そしてその望みが叶った今、少女は幸せの絶頂にいた。



ずっと欲しかったものが、手に入ったのだ。


呆然と少女を見上げる、少し幼げな顔に、少女はまたキスを落とした。