「もう、俺帰らな」


スゥッと、色褪せていく君の姿。


もう、背後の夕焼けを映す海が見える。


遠い君が、もう会えなくなる所まで行ってしまう。


永遠に、縮まらない距離がもう出来始めている。



「は・・・・・・と・・・・・・っ」



声にならない声が、喉を震わせた。


届かない手が、宙に、独りでに漂う。




好きだよ、陽斗。


愛してるよ、陽斗。


――――ずっと、想ってるよ。