そうか、君はもういなかったんだね。


何も言わずに・・・・・・


暑いはずなのに、夏だというのに、指先が徐々に冷えていく。


震える手で携帯を握り締め、ゆっくりと陽斗を振り返る。



「酷いやん・・・・・・」


「ごめんな」



そう呟いた君は、清々しい笑顔だった。


何で、笑ってられるの?


君の笑顔は、今のわたしには眩し過ぎた。


頬を、涙が伝う。



夕日が眩しくて、目が痛かった。


胸も、目も、喉も、何もかもが熱くて、痛くて。