携帯を握り締め、陽斗に怒りの眼差しを向ける。 能天気に、こっちに来て。 わたしの辛さなんか、何も知らなくて。 それでも、君の仕草一つ一つに、胸が高鳴る自分もいて。 そんな・・・・・・ 「そんな、何も知らんのに、何で会いに来たん!? ずっと、待ってたのに!会えへん分、不安やったのに! 分かれたいんやったら、ちゃんと言って・・・・・・」 瞼の奥が熱くなり、喉が嗚咽で震えた。 切な気な君の顔を直視できずに、地面に吐き捨てるように叫ぶ。 「わたしだけ、想ってるみたいやんか・・・・・・っ」