『こっちにおいで』とでも、言いたげに。



結局、君は海に着くまで一言も話さなかった。


ただ、小さな子供のようにはしゃいだ雰囲気だけが、伝わってくる。



「ねぇ、なんで陽斗メール返してくれへんかったん?

ずっと、ずっと待ってたのに!」



思い出した、とわたしは陽斗に怒りをぶつける。


それを言うと、陽斗は少し悲しそうに微笑んだ。


なんで、そんな顔するの?