王室。



「△△共和国の皇子は聡明でイザベラも気に入るだろう!」

「まぁ。」



口元に手を添えて綺麗に笑うのはイザベラ皇女。こうして縁組の話を持ち掛けられる事も屡々。


ニコニコする皇女様に気をよくした国王は大きく笑う。気前の良い者と見るか下品と見るのかは各々の目の自由だ。細められた皇女様の目は言わずともがな決まっている。



「私はいつかはイザベラに王権を譲り渡すつもりでいる!イザベラにはきちんと大国の婿に相応しい者を伴侶として貰わねばならぬ!」

「左様で。ご期待にお答え出来るよう精進致します。」



うふふ。と微笑むイザベラ皇女に後ろに控える兵士は『皇女に王権が渡るなど…』と顔を青くする。