「おのれぇ!よくも我が国王を!」

「王子!御無事ですか!?」

「この裏切り者がッ!」

「同盟国であるぞ!!」



他の国の兵が罵る。


それは祖国の国王軍とて同じ。



「ローガン中将!?イザベラ皇女様まで!なんと言うことだ!」

「我が大国が絶対覇者となるために長年築き上げてきたものをっ!」

「我が国王陛下の仇、取らせて貰おうぞ!」



そして銃声が響く。誰がトリガーを引いたのかなど、分からない。雪崩れ込むように押し寄せる兵士を見るイザベラ皇女は、身体中に突き刺さるような痛みを感じた。


胸元に手を添えればドロリとした真っ赤な血痕。止めどなく溢れ出す血を見たイザベラ皇女は思わず微笑する。