元は国王陛下側のローガンがイザベラ皇女に手を貸すようになったのはただの自己満足。そしてただの私情だった。恋情に揺らぎ、国王を裏切り、皇女側に就いた。



「ええ。愛していたわ。」



決して“愛してる”とは言わない。キャロライン皇女――妹を託した以上ここで彼を引き留める訳には行かないのだから。



「お行き、ローガン。」



もうじきここは各国の兵。そして国王軍が押し寄せてくるだろう。それがどういうことなのか、イザベラ皇女も、ローガンも分かっている。端から命乞いをするつもりもなく、計画を潰し後は眠ろうと決めていたイザベラ皇女。