事実と、血の海を目前にし、唖然とするキャロライン皇女にイザベラ皇女は語りかける。



「わたくしに復讐したいのならすれば良い。」



それは国王、御父様を殺したことを御父様が認めた証拠。徐々に冴える頭、そして理解していく。御父様を殺された哀しみで目には涙が溜まり、御父様が殺された憎しみで御姉様を睨み付ける。



「いづれ殺しに来なさい。

それまで生きろ、愚かな妹よ。」



その言葉を皮切りにキャロライン皇女は広間を飛び出した。指を引けば、直ぐに殺せたが、何も知らず生きてきたキャロライン皇女。引き金を引く理由が、イザベラ皇女には無かった。