「わたくしの目を、誤魔化せると思うたか。」 そう静かに言う皇女様に違う意味で顔を青白くする兵士。 周りの者は訳も分からず首を捻る。だが皇女様がこの兵士を裁こうとしている事だけは分かった。 植え付けられるのは“極悪非道のイザベラ皇女” 「ふん。わたくしを欺くなど百年早いわ―――ローガン。」 「―――ハッ。」 目で一括すると中将を呼ぶ。 輪から離れたところに立っていたまだ若き青年が皇女様の前に姿を現す。