そこはもう閉鎖空間。一度入れば逃がしてくれやしない。青きマントを靡かせて仮面の君は舞い踊る―――そう。血の海で。 「ま、待ってくれ!私は何も悪くはない!」 「お黙り。」 「ぐっ!」 とうに息絶えたミモザを足蹴にする仮面の君はナイフを国王陛下に投げ付ける。スレスレに刺さったナイフに冷や汗を掻く国王陛下。普段の高貴さはなく、尻餅をつく。 プライドを捨てたのは、もう、息をしているのが己だけだからだ。『何故、こうなった。』『何が、起きた。』『何で、血塗れなんだ。』とこんがらがる。