「何を考えてるのですか御姉様!」


珍しく声を荒げるキャロライン皇女。



「民は…っ民は苦しんでおります!」



民の気持ちを汲み本当に苦しそうに顔を歪めた。


そしてイザベラ皇女は外の景色からゆっくりキャロラインへと目を移す。金色の瞳は“無”でキャロライン皇女はビクッと肩を揺らす。


「貴様は、政治には口を挟まないのでは無かったのか?国に携わる事を何一つして来なかった貴様が今頃何を申す。」

「しかし…っ!」

「“キャロライン皇女”はただのうのうと歌を歌っていれば良い。」



フッと小馬鹿したように微笑するイザベラ皇女。皮肉なものだが、その微笑みは綺麗で優美なものでキャロライン皇女は見惚れた。