――――決して移住民族ではない。だがここ最近祖国を後にする民が跡が立たない。最小限の荷物を持ち、生まれ育った国を出て国境を越える民。その光景を見た者は“またか”と思った。


この現状に怒りで震え上がるキャロライン皇女。とうとう我慢出来ず現状を作った姉君の元を訪れる。

いつもは柔らかく微笑んでいるキャロライン皇女が睨み付けてくるにも関わらずイザベラ皇女はただ窓越しに城下を眺めた。