「驚いたな! 本当に……君なのか……!?」 ドアチェーンをかけたままで、用心深く、男が顔を見せた。 縁無しのメガネの奥に冷たく光る目。 髪は短く刈り込み、有能な雰囲気を醸し出している。 きっと仕事も出来るんだろう。 「外で話そうか」 男は僕を値踏みするように上から下まで見ると、面倒臭そうに、そう言った。 『こっちは構わないっすよ、倉田さん』 (倉田……? あかねさんの彼氏の? どうして倉田さんが関係あるんだよ! おい!)