この時の僕は、やはり精神的に追い詰められていたんだと思う。 痛みから逃れる、『声』から逃れる、そればかりを考えていたんだと思う。 そして、今、考えてみれば、安易としか言いようのない決断をする。 この弱い決断が、この先、僕を苦しめるとは一切考えなかった。 この時、僕の進むべき道は完全に間違っていたのだろう。 もう、戻れない……。