僕はそれを動かすのを諦め、そこから這い出そうと、足を立てて体を送り出そうとした。

激痛が走る。

視界は白く瞬き、一瞬、気が遠くなった。

たぶん、どこか、折れているのかもしれない。



やっとのことで這い出す。

体を揺すり、僕の背中に乗っていたものを振り落とす。

その姿勢のまま、落ちたモノを見ると、それは、舌をだらんと垂らした原田だった。

手には大事そうにしおりを握っている。

力なく開いたままの目は、僕らが落ちてきたと思われる、遙か上方を見ていた。