体が再び座席に押し付けられる。 今度は急制動のためではない。 狂った運転手がアクセルを踏んでいるのだろう。 物凄い速度で景色が流れていく。 前方にカーブの入り口が見えた。 運転手はきっと、ハンドルを切ることはないだろう。 僕は前の座席を足で押し、体を支えながら、目を閉じた。