僕は、明らかにみどりが作ったと思われる弁当を頬張る。 美味しい。 嬉しい。 おにぎりではなく、ご飯が詰められているのは、たぶん、僕の母親の依頼が急だったせいだろう。 そういえば、みどりはもうひとつ、ビニール袋を提げていた。 あれは、一緒に食べようとしていたのかもしれない。 大丈夫。 これからは、いつでも、何度でも食べることが出来る。 僕は、ふりかけで作られた、ハートマークを崩さないように、周りのご飯を切り崩しながら、そんな事を考えていた。