「でね、まあ、これは、社交辞令と言いますか、警察の仕事における流儀というかね、昨日、君が何をしていたか聞かんといかんのです」 僕は大久保の方を向く。 にこやかな顔の奥の鋭い目。 高祖を見る。 見るからに犯罪者を見る目。 教頭と校長は目を反らし、馬場先生は見下す姿勢をさらに強める。 意外と言えば、琢磨だけは黒い霧に覆われず、僕の方を真っ直ぐに見ていた。