さっきの角まで来る。 角から公園の方を見ると、人影はゆっくりと歩いてきているところだった。 僕は後ろを振り向く。 僕を頂点に、人影と坂木は直角に位置する。 僕を挟んだ距離は同じくらい。 これでは坂木が早く着いてしまう。 僕は思いきり叫んだ。 「うわああああああ」 僕の声に人影が急いで走ってくる。 坂木はその僕の声を、戦いの雄叫びだと勘違いしたのか、そのままのスピードで追いかけてくる。 これで同じくらいのスピードになった。