これが、このビー玉の思い出だ。

思い出したくない忌まわしい過去と、封印していた記憶。



そう言えば、このビー玉を貰ってから、不思議な事に、感情のコントロールが出来、みんなとも仲良くなり、『特殊』な学級の話も一切でなくなった。

僕はみどりにビー玉を返し、みどりも自分の宝箱に大事そうに入れていた。



みどりは、今の僕に、当時と似た何かを感じたのかもしれない。

抑えて欲しい。

閉じ込めてほしい。

元の『相田サトシ』に戻って欲しい。

そう思って、大事なビー玉を僕に渡したのかもしれない。

そんなみどりの暖かさと愛情を感じながら、僕はビー玉を握りしめ、学校を後にした。