「いやだ! サトちゃんと離れるのはいやだ!」 みどりと僕は、この時、同じクラスだった。 何も転校する訳じゃないのに……。 取り乱したみどりを、僕は人ごとのように、ぼんやりした気持ちで眺めていた。 昼休み。 みどりにだけは前もって伝えた時だ。 みどりはどこかに走っていく。 突然の事に驚いて、一瞬、反応の遅れた僕は、慌てて、みどりを追いかける。 職員室。 みどりは担任の、若い女教師に食って掛かっていた。 僕はそれを、開け放しのままになっている入り口から見ている。