いや、それよりも、江口さんが「髪の毛」に「指切り」を準(なぞら)えていたとしたら、僕はどうすればいいのか。 いわゆる、僕らが思い描く「恋愛』というものとは、違う気がする。 なにか、異様で異質なものを感じる。 受け止めるとか、責任を取るとか、そういうレベルではない。 その言葉を口にするのも恐ろしいが、何か、二人だけの世界に行かなければならないような恐怖、僕はそんな風に感じていた。