「江口さんが自分で切った」 「やっぱりな」 「やっぱり?」 合瀬は何か知ってるのだろうか。 こいつの洞察力は油断できない。 無駄に話してボロを出すより、僕は合瀬の言葉を待つことにした。 「で、その切ったモノを渡した」 「……うん」 「それ、あれじゃないのか、指切り」 合瀬はプリンターが吐き出したA3の紙を、トントンと揃えて横の作業机に置く。 僕はそれを数枚ずつ取り、半分に折りたたんでいく。