「オレ達って、坂木くん、原田くん、合瀬くん、高畑くん、野中くんの事だよね?」 「…………」 「違うの?」 「だから、何だよ」 野中の声が少し高くなる。 イラつき始めたんだろう。 「で、先生には何と?」 「あ? だから、脅されたんだよ」 「イジメをするなと?」 「そ、そうだよ……」 僕はポケットから手を引き抜く。 正弘おじさんのお古の、記者の必携品であるICレコーダを握って。