そんな人間だったから、僕は僕のイジメの根本的解決を、コイツには頼まなかった。 コイツに頼んでいたら、鎮火する火も炎上していただろう。 決断した当時の僕を誉めてやりたいくらいだ。 「こう言ってください。「成績が悪い上に、イジメなんかしてたら、わかってるな?」と」 これが、馬場先生に伝えた言葉だ。 タイミングは、夏休み明けの実力テストが終わり、その結果による個人面談の時を指定した。 これだったら怪しまれないし、普段から成績の悪さを気にしている野中は、きっと従うだろう。