僕がじっと見ていることに気づいた江口さんは、上目遣いで僕を見ると、ジュースの飲み口をかぷっと咥えた。 そのまま、ジュースを飲むわけでもなく、その姿勢のまま、顔だけをだんだんと赤くしていく。 やはり、躊躇していたようだ。 人間の心理というものは、良心というものを捨てれば、容易に想像がつく。 いや、つくようになった。 特に、欲望や願望という、あまりに追い求めすぎれば、人の目には浅ましく映るものは、だ。