一定の距離を置いて、江口さんと話す男。 視線を合わそうともせず、一言、二言返すだけの江口さん。 あまり、友好的な感じには見えない。 僕は教室に入るべきか考えていた。 でも、このまま、ここで見続けていれば、何か、面白いものが見れそうな予感がする。 その時だった。 男が急にこちらを振り向く。 僕は咄嗟のことに、身を屈めるのが遅れた。 だが、そこからの角度のせいか、僕のことには気づいてないみたいだ。 僕は再び窓に近づき、男の顔を確認する。 記号だ。 記号その2 原田だ。