僕は江口さんを教室に残し、ひとりで職員室へ向かう。 付いて来たそうな顔をしたが、素知らぬフリをして、僕はさっさと席を立った。 いいんだ。 考えろ。 そして、負の感情をどろどろに煮詰めろ。 爆発寸前まで熟成させればいい。 どろどろに溶けて混ざったまだら色の感情は、きっと坂木を痛めつけてくれるはずだ。