「退院してから、なんか雰囲気変わったって」 「そうかなあ?」 「うん。変わった。話に出てくるときも、なんか、いい感じで出てくるよ」 江口さんは少しつまらなそうにそう言った。 「そうなんだ。……そう言えば、この前もショッピングセンターで話しかけられたよ」 「ショッピングセンターとか行くんだ?」 「うん。まあ、そのときはみどりに無理矢理連れて行かれたんだけど……服とか選んで貰った」 僕はわざと明るくそう言う。 予想通り、江口さんの顔は暗く沈んでいく。