やはりというか、江口さんの姿は無い。 僕はこの件で、坂木よりも前に学校側から制裁を加えられるのかもしれない。 髪を切ったという事実がある限り、それは馬場先生を利用したとしても、回避できることではないだろう。 チャイムが鳴る。 教科書とノートをバッグの中から出す。 机の中には何が待ち受けているかわからない。 僕はいつの頃からか、バッグから物を取り出すようになっていた。 教室の前の扉が開き、化粧の厚い中年女が現れた。 国語の教師だ。 挨拶を済ませ、席に着く。 そして、授業が始まった。