朝、教室に来てみると、そこは、いつもと変わらない光景だった。 昨日のバラエティ番組の話を身振り手振りで話すヤツ。 好きなアイドルの載った雑誌を興奮して読んでいる女の子達。 机に突っ伏して寝ている者もいる。授業が始まる前の喧騒。 いつもとかわらない朝。 僕は坂木たちの集まっているところを見る。 いつもなら、僕を監視しているのか、取り巻きの一人と必ず目が合うのだが、今日は何かに熱中しているのか、誰もこちらを見ていなかった。