「ああ、ちょっ! 入ってくんな!」 「いいじゃない。昔は何度も入ってたんだし」 「む、昔っていつだよ? 小学生の頃だろ?」 「まあ、まあ、で、何があったの?」 みどりがそこまで言った時だった。 「あら、みどりちゃん、ここにいたの? ちょうど良かった。若い人たちは若い人たちだけでどうぞ」 そう言いながら、僕の母親がお菓子とジュースをお盆に載せて廊下を歩いて来た。